葬儀会館ビジネスに未来はあるのか その1
2019年7月7日今や葬儀とは切っても切り離せないとも言える存在となった葬儀会館。
全国の葬祭事業者様からのご相談には
◯稼働率を上げるには?
◯出店をしたい
◯改装やリノベーションをしたい
◯資金計画を組みたい
◯会館ごと他の葬儀社を買収したい
◯人員確保や教育をどうすれば?
◯イベントをしたい
◯集客をあげたい…etc
などなど会館にまつわるご相談には枚挙にいとまがありません。
しかし不思議なことに「会館を閉めたい」というご相談は皆無です。
いろんな統計をみても、葬儀会館は増え続けており、はたしてこの先、未来はあるのかな?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるはずです。
結論の概略から先に述べると、
「ロングスパンで考えると未来は明るくない。地域条件や会社の目標によっては短期的にはチャンスが見出せる可能性はある。」
といったことになると考えられます。
会館は所有しているだけでもコストはかかり、出店となると中小専業葬儀社にとっては社運を賭けるほどの投資が必要になります。
地価や建築コスト、地域の葬儀単価、そして最終的に葬儀会館をどうするのか?会社の目標にどの程度寄与し、投資の回収期間はどうするのか、経営者はあと何年経営を持続できるか、資金調達方法をどうするか等、考えなければならないことは山ほどあります。
とりあえず建てればなんとかなる、というのも選択肢ですが、それは短期で利益をあげて逃げ切る手法と目標が確立できていればこそ。大抵の場合は10年、15年、20年と返済計画の長さの分だけ先を見据えて動く必要があります。
中長期的な拡大戦略と計画がなければ、これからの葬儀会館ビジネスは非常に厳しいと言えるでしょう。
では対極にある、会館に頼らずどこでも葬儀を提供するというデリバリー型葬儀ビジネスはどうか?これは
「ロングスパンで考えれば未来は明るい。しかし人員確保や広域でのサービス提供体制と集客チャネルが確立できている必要がある。」
といえます。
一昔前は会館で行われることが少なく、自宅や寺院で行われていた葬儀。葬儀会館が普及したことで、それまで非経済活動の要素が強かった葬儀は良くも悪くも一気にビジネス化していきました。
20年ほど前の広告をみると「これからは会館葬の時代です!」などというキャッチコピーが踊っており、葬儀会館普及は広告や販促にも大きな転換期だったと言えます。
葬儀会館ビジネスやデリバリー型葬儀ビジネスの未来について、当コラムで広告宣伝の視点を交えながら今後深掘りしていきます。
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